「女が自分一人だけってこと。
…もっと自覚した方がいい」
…え?
「それって…
見られてたの、みんなじゃなく……あたしってこと?」
「あぁ、気付いてなかったんだ…」
“それはそれで厄介”
厄介…
その言葉が、あたしの心に沈んだ。
麻生君はそれだけ言うと、話は終わったらしく歩き出したので、あたしも同じく歩き出した。
「ここちゃん?どうかしたのぉ?」
「…あ、ううん。何でもないよ」
「遅れてるよぉ?早くーぅ」
「う、うんっ」
少しでも厄介者にならないようにしなきゃ…
迷惑かけてるって分かってるのに…
「きゃっ!?」
急ごうとして小走りになるあたしは、何もない廊下で転ぶ。
……情けない。
「ここちゃん!?大丈夫?」
「…うん、ごめんなさい」
「それより早く立てよ。
サービスのつもりか?」
「え?サービス?
なにサービスって…ー」
信也君の隣で指差す桐生君。
えっと……“それ”って?
桐生君の指す方向を見る。
後ろ…?
後ろってー……
「…~っは、早く言ってよ!!」
スカートがめくれていた…
そんな結果ではないけど、けっこうきわどいことになっていた。
慌てて立ち上がるあたし。
信也君は苦笑いしている横で、成瀬君は顔を真っ赤にしていた。
「サービスのつもりだと思ってた」
「…っんなわけないでしょ!変態!」
「親切に教えてやったのに、変態呼ばわりかよ…」
嘆いてるような口調だけど、顔はニヤニヤしている。
…絶対に変態だ!
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