そんな君が愛しい




その日の放課後。


俺と亘は
2人並んで下校していた。


長い廊下を
ゆっくりと歩いていく。


すると



「一ノ瀬くんっ」




俺をキュンとさせる声が
聞こえた。
それは、もちろん……




「沙葉」 「…常葉」


俺と亘の声は
キレイに重なった。


どーして沙葉が?



そう思ったけど
沙葉が持っているもので
なんとなく分かった。



沙葉の手には
可愛くラッピングされた袋。
透明な袋の中には
色んな形をしたチョコクッキーが入っている。