「そうだよね。うん。うん・・・・・・本当にそうだね。先生の心は先生のものだもんね。それに、私だって芸能人とか見てかっこいいって思うんだから、たいしたことじゃない」




「そうそう!!でも、直が豪太に感じてるようなドキドキを、先生が誰かに感じたとしたら、それは許せない。私は直の親友だから、直はいいけど先生はだめ。勝手だけど、先生は許さないからね」




そう言った後、先生は絶対にそんなことないよと言ってくれた。



そして、豪太の似顔絵を描いて、とか、豪太の写メ撮って来てとか、そんな冗談を言って笑った。





それから、私達は久しぶりの買い物を楽しんだ。



自分のものを買うのは久しぶりだった。



結婚してからこうしてゆかりとゆっくり買い物することも少なかった。






別れ際に、ゆかりが、私の腕を引っ張った。




「もうちょっと話さない?」



甘えるような表情でそう言ったゆかりが、心から大切だと思った。



私ももっと話したかった。



ゆかりと話していると、自分の気持ちが整理できていく。






「買い物している間に、思ったことなんだけど、聞いてくれる?」




ゆかりは、近くのベンチを指差して、そこに座ろうと言った。




両手にいっぱいの紙袋を抱えたゆかりは、荷物を横に置くと、私をじっと見つめた。