公園で直は七緒と遊んでくれた。
滑り台の上から直に手を振る七緒。
俺はベンチに座って、その姿を眺めていた。
何があっても、七緒が俺にとって大切な存在であることに変わりはない。
そう。
たとえ、七緒が俺をパパと呼ばなくなっても。
先週の土曜日だった。
俺が七緒にお土産を渡したいと電話をした時。
母親から衝撃的な一言を聞いた。
“今だから言うけど、七緒は和人の子供じゃないかもしれない”
ショックじゃなかったと言えば嘘になる。
ショックだった。
でも、そう言われたからと言って、七緒への愛情は変わらない。
ずっと、自分の子供だと思っていた。
それは、変わらない。
もしも、俺の子供じゃないとハッキリと言われたとしても。
どうして、俺はこの人と付き合っていたんだろう。
俺は見る目がなかった。
俺と付き合っていながら、他の男性とも関係を持っていたということだ。
過去のことだとは言え、俺は悲しい恋愛をしていたんだな。
俺自身だって、大事にしていなかった部分もある。
この恋が永遠に続くなんて一度も思ったことがない相手だった。
俺は直に出会うまで、最低な男だったんだよな。

