白いジャージ7 ~先生とプールサイド~





「そうなんですけど・・・・・・そうですよね。うん。じゃあ、話してみます」



「どうした?新垣先生らしくないな」



「だめだな、俺。ちょっと疲れてるのかな」





そうだ。


俺は疲れてる。




新1年生の担任として、ちょっと頑張り過ぎていたのかもしれない。



柄にもなく、“新垣新聞”なんてものを今年から始めてしまったし。





「大丈夫?いつでも愚痴聞くよ。無理すんなよ」



「ありがとうございます。じゃあ、昼飯一緒にどうですか?」



「いいね~、食堂で焼きそばでも食べちゃう?」



「いいっすね~!あの焼きそばは最高ですから」





チャイムが鳴り、俺は教室へと向かう。




廊下を歩く。





こうして歩いていても、時々思うんだ。



直、いねぇかな?って。





制服来た直が、“せんせ~、おはよ”って走ってこないかな?ってさ。





疲れてる時は特に、探してしまう。




直のあの声、あの姿を思い出すんだ。



そんなに愛しい奥さんなのに。





どうして隠し事なんかしたんだよ。






俺、自分が情けなかった。





もう、何もかも乗り越えたと思っていたのに。




俺達夫婦には何の障害もないんだと思っていたのに。







隠してしまった。





俺は・・・・・・