「お酒強いんだよね」



私のグラスにビールを注ぐ。




「もうこのくらいで・・・・・・」



「いやいや、もっと飲めるだろ?」



「私を酔わせてどうするんですかぁ?」



「ははは。じゃあ、俺が飲むよ」





こんな風に話せるなんて、夢のようだ。




笑ってくれた。



私の目を見てくれた。





大野先輩が、好きだ。





今、この瞬間も・・・・・・どんどんその想いは強くなる。





「からあげ、食う?」



「あ、はい。ひとつ」




大野先輩が、私のお皿にからあげをのせてくれた。




「俺のはしで悪い」



そう言って。





こんなことで喜んでちゃ、まだまだゴールは遠い。



片思いはきっとずっと続く。




直は、私をチラっと見て、嬉しそうに微笑んでいた。




ありがとう。

応援してくれて。




私だったら、反対するのに。




直が応援してくれるなら、どこまでも頑張れる気がする。