「でも、あの夜・・・・・・俺に電話してくれた。ちょうど、直のことを考えてる時だった。別れようって言い出したのは俺なのに、後悔ばかりしてた。どうしてひとりで答えを出してしまったんだろうって」
クリスマスイヴの夜。
たっくんとのデートの途中で・・・・・・逃げちゃったんだよね。
「直のファーストキス、たっくんに奪われなくて良かった。ふふ」
先生は、眉を少し下げて、優しく微笑んだ。
この顔も好きだな。
「好きになれないってわかってたのに。キスされそうになった時に、どうしても先生じゃないと嫌だって思ったんだ。先生とじゃなきゃキスできないって」
「よく考えれば、被害者はたっくんだよな。付き合ってるのに、キスしようとして逃げられて・・・・・・」
「うん。本当に反省してる」
先生は、私の唇にそっとキスをした。
「これから一生俺としかキスしないだろ?だから、過去のことは許してやる」
ニヤリと笑って、私の唇を優しく噛んだ。

