「先生からのメールを削除しようと思った。でも、できなくて・・・・・・留守電も消せなくて。忘れるなんて無理だった。でも、先生のことばかり考えていると頭がおかしくなりそうで」
「それで・・・・・・たっくんを好きになろうとした。そうだろ?」
ニヤリと笑う先生。
私は、苦笑いをしながら頷いた。
あれは、私の人生の中でも、大きな失敗。
後悔。
申し訳ないことをした。
「間違ってたね、私。でもね、ちょっとだけ先生に似てたんだ。だから、好きになりたかった。楽になりたかった」
「俺に似てた?」
「今思えば、全然似てないね。でも、低い声とか・・・・・・“矢沢”って呼ぶとことか」
「それだけ?」
「うん」
「それだけ、俺のこと好きでいてくれたってことだよな」
先生は、私のおでこを両手でつつむ。

