「依子が、先生の家の周りをうろうろしてたんだよね。それで、私と依子のことを気遣って先生は、別れようと思った。でも、私は依子から聞いてたからそのことを知ってて」
「そうそう。でも、直も俺が気にするからって内緒にしててくれたんだろ」
「気にするからっていうか・・・・・・私の場合は、自分を守る為だったんだ。依子のことを知ったら、このまま生徒と教師として付き合ってるなんて無理なんじゃないかって思って別れを選ぶんじゃないかって怖かった。だから、言えなかった」
怖かった。
失いたくなかった。
ずっと先生の隣にいたかった。
「バカだな、俺。不安にさせてばっかりで」
ソファにもたれた先生は、私の頭をグイっと引き寄せてくれた。
先生の顔に私のおでこが当たる。
「別れてから、辛かったよな。学校で会えるから嬉しいんだけど、顔を見ると辛くて。やっぱり直じゃないとだめなんだってわかった。でも、どうにもできなくて。後悔ばっかりしてた」

