「今までの彼女とのことは知らないが、今は田嶋と付き合ってるんだろ。田嶋の気持ちが一番。子供ができる、できないの問題じゃなく、避妊するのは当たり前のこと。今、子供ができて一番傷つくのは田嶋だぞ」
「・・・・・・フラれたら、新垣先生のせいですから。責任取ってくださいね」
責任?
ちょっと怖いことを言われてしまったが、わかってくれたようだ。
「今の話は、絶対に誰にも言わないこと。みんな、わかったな。同じクラスの大事な仲間だろ?冗談半分で話すことじゃない」
今まで見てきたクラスの中でも、このクラスはなかなか団結力があって、仲が良い。
きっと、大丈夫。
「出た!新垣先生の“大事な仲間”発言!!」
「熱いねぇ、先生」
みんなが笑顔になってくれた。
「今日、実は俺はすごく緊張していた。俺の過去のことを正直に話して、みんながどう思うのか不安だった。でも、ちゃんと話したかった」
本当に不安だった。
今までも性教育には力を入れてきたし、過去の話も少しはしたことはある。
でも、こんな風に話すのはこのクラスが初めてだった。
「俺もみんなと同じ高校生だった。みんなと同じように悩んだり、迷ったり、失敗したりして、大人になった。もちろん、今でも悩むことは多いけど。他の先生もみんな、昔は高校生だった。だから、お前らの気持ちはわかる。そりゃ、興味あると思うよ。ゴムつけねぇ方が気持ち良いって本当かな?って思う気持ちもわかる。でも、それはいつか本当に大事な人と結婚を考えた時の楽しみに取っておいた方がいいと思う」
真剣に伝えようと思った言葉には、魔法の力が働くんだと感じた。
全員が俺の目を見てくれていた。

