「きっと、金銭的にもご両親の助けがないとやっていけない。高校生活でやり残したことがあったんじゃないかと後悔する日がくるかもしれない。愛し合っているふたりなら、いつか結婚できる。その時まで子供を作らないようにすることがそんなに難しいことかな?」
田嶋は黙りこんだ。
近くに座っていた男子生徒が、“結婚は無理だろ”と言った。
田嶋の彼氏は高校でも有名な3年の生徒で、かっこよくてモテる。
「絶対結婚します」
「じゃあ、結婚してから子供を作った方が幸せじゃない?高校を中退することもなく、親に反対されることもなく、素直に“おめでとう”って言われる方が赤ちゃんも嬉しくないかな」
また男子が口を挟む。
「避妊してって言えないだけだろ?逃げられるのが怖いだけなんじゃねぇの?」
ほとんどの生徒がそう思っているようだった。
誰も田嶋をかばおうとはしなかった。
「だって・・・・・・避妊なんかしなくても、絶対できない自信あるって言うんだもん」
田嶋は涙目になっていた。
水谷先生が心配していた通りだった。
彼氏との関係で何か悩んでいるようだと。
田嶋と3年生の彼氏の付き合いは、対等なものではなさそうだ。

