白いジャージ7 ~先生とプールサイド~





俺のクラスの田嶋という生徒は、妊娠していなかった。



でも、またいつ妊娠疑惑が出るかわからない。



水谷先生にはこう言ったそうだ。



“子供できてもいいから避妊しない”と。





「おお~。早く座れよ」



黒板の前で生徒達の顔を見回す。



5限目が性教育だという噂はどこからか漏れていて、生徒達は少し浮かれていた。





「先生、エッチなDVDとか見ようよ」



ふざけてそんなことをいう男子を、女子がにらみつけていた。




「今日は、命について考えようと思う」




静まり返る教室。





「俺達は、当たり前のように毎日生きている。そうだよな?」



きょとんとした表情の生徒達。





「ご両親がみんなのことを大切に育ててくれたから、今がある。もしも、みんながお腹の中にいる時に中絶をしていたとしたら、今ここに存在しないんだ」





もしも、産むことを選ばなかったら、七緒はいないということだ。



あの笑顔も、あの声も、存在しない。