喜多先生は、コーヒーに砂糖を入れながら、視線を俺に向けた。
「俺だってそうだよ」
喜多先生はそう言って、にっこり笑う。
「そうなんですか?」
「そんな経験、誰だってあるんじゃない?」
そうか。
みんながみんなとは言わないが、俺の周りでもそういう友達はいた。
俺としては、自分は真剣に付き合っているつもりだった。
今から思えば・・・・・・という程度だけど。
でも、もう気持ちがなくなっていると気付きながら、関係を続けていたのは事実。
「それ、話すの?」
「はい。どう思います?」
「いいと思う。俺達だって、高校時代は今のアイツらと同じだった。女の子のことばっかり考えて、エッチなことしか頭になくて」
俺は、そうでもなかったけど・・・・・・と言おうと思ったが、やめておいた。
興味がなかったわけでもないから。
「俺ね、実は子供がいるんです。前の彼女との間に」
喜多先生の目が大きくなった。
瞬きを何度もしてから、大笑い。
「冗談キツいよ」

