朝食のパンをトースターに入れている直のかわいいお尻にタッチして、俺は顔を洗う。




冷たい水で。


気合入れて。



俺の気持ちが伝わりますように。





まだ2カ月半だけど、俺のクラスの生徒達とはわかり合えている気がしていた。



できる限り、ひとりひとりとよく話すようにしているし、ホームルームでも俺の得意な“熱い話”ばっかりだし。


それを真剣に聞いてくれるアイツらを、俺は信頼している。







俺のかわいい生徒達に、俺と同じ過ちを犯して欲しくない。



過ち、と言ってしまうと、七緒ができたことが過ちなのかということになる。



それは違う。



七緒が生まれてこなければ良かったのか?と聞かれれば、それも違う。





でも、七緒が他の子供よりも苦労しなければいけなかったのは、親の責任だ。







「じゃあ、行ってくる」



「頑張ってね」



「ああ」





行ってきますのキスをして・・・・・・




俺は緊張しながら車に乗り込んだ。