「ボートの上ってドキドキするなぁ。襲いたくなってきた」




「だめだよ~!先生、ボートから落ちちゃうから!」





ニヤニヤする先生の肩を押さえると、先生に腕を掴まれた。



そのまま、先生の腕の中に。








「これくらいならいいだろ?」



最高にかっこいい顔でそう言った先生は・・・・・・




ぎゅっって。




抱きしめてくれた。






その瞬間、泣きそうになったんだ。






何度も抱きしめられているのに、変だけど。




今の“ぎゅっ”がすごく嬉しく感じた。



いろいろあったけど、より仲良くなれたよね。





私達。


もう大丈夫だよね。





夫婦だから、いろいろある。





うん。




でも、家族だから。






忘れたい過去は、できる限り忘れよう。





ずっとずっと一緒にいる人だから。