雲が浮かぶ爽やかな空を見上げる。



にっこり笑った先生は、ゆっくりとクレープ屋さんの前へ歩く。






「食べたいと思っただろぉ?」



「どうしてわかったの?」



「わかるって。直のことなら何でも。さっきから目がこっちに向いてた」



「バナナとチョコのクレープがいいな~」



「俺は、プリンといちごにしようかな」







穏やかな時間が流れていた。



なんだか、付き合いたてのカップルみたいな。







「俺、ボート乗りたいな」




唇に生クリームをつけた先生が、子供のような無邪気な顔をしてそう言った。





「乗りたい。好きな人とボートって夢だったんだ~」




「じゃあ、乗ろう」