「でもさ、先生が今、悩んでるってことは、直ちゃんも悩んでんだろうね」
「実はな・・・・・・」
俺は、スピードを緩める。
車は森の中を走る。
くねくねした道を見ながら、直だったら車に酔いそうだな、なんて考える。
俺は、たっくんに昨日の出来事を話した。
水谷先生がいることを隠したまま、出かけたこと。
そして、それを話そうと思っていたのに、直が先に知ってしまったこと。
本当のことを話したけど、直はきっとまだ疑っているんじゃないかってこと。
俺が一番悲しかった、“もういいよ”と直が言ったこと。
その言葉には、“水谷先生を選んでもいいよ”って想いが込められていた。
そんなわけないのに。
そこまで直を追い詰めた?
別れを予感させるほどの出来事だったのか?
今日になって、俺はそのことが引っかかって仕方がなかった。

