「俺は、浮気なんかしないし、他の女性を意識したりしない。一生直だけを愛し続けるって自信を持って言えるんだ」
たっくんは、うんうんと頷きながら、窓の外の景色を見ていた。
「でもな、それって当たり前のことじゃないだろ?今の世間では」
「そうだよな。先生みたいな旦那さんはほぼいないよ。俺だって、結婚してもずっとゆかりだけを愛したいけど、100%の自信はない。浮気はしないとしても、ちょっとした浮気心くらいは芽生えるかもしれない」
浮気心。
そんなもの俺にはない。
だけど・・・・・・信じてもらえない。
今回の水谷先生の件は、一生直の心の傷となる。
きっと直は、俺が水谷先生のことを少しでも意識しているからだと誤解している。
誤解されて当然のことをしたのは認める。
でも・・・・・・
今まで積み重ねてきたものは何だったのかと・・・・・・
ふと思うんだ。

