王子様の溺愛カメラマン

「じゃあ冬島もカッコいい奴なんじゃん」


照れ隠しにそう言うとエマはすこし赤くなった。


「だから冬島先輩は…生理的に…」


「あはは」


笑う俺にエマは唇を尖らせた後小さなため息をついた。


「だけどホントに羨ましいよ。あたしはそういう取り柄がないもん」


「は?」


取り柄がない?






首をかしげる俺にエマは薄く笑いながら続けた。


「うち、お兄ちゃんも頭良くて何でも出来て完璧なの」


「へぇ?」


「それに比べて私は普通科だよ?パパもママも頭が良いのに」


「………」


「勉強以外だって日向くんみたいに夢中になれるものもないもん」


「………」


「だから羨ましい」




エマはそこまで言うとシュンとした。