*kanata side*


『クラスの男が昼休み中庭に広野さんを呼び出したらしい。
もしかしたら告白かもよ』


4時間目がもうすぐ始まろうとしたときに佑センパイから届いたメール。


俺は梓センパイとは練習試合以降話せていない。

それでずっと悩んでいるというのに、告白かもと聞いて更に頭を悩ませる。


梓センパイはおそらく…いや絶対俺を避けている。



あの時、汗が出ていることを言ったのがいけなかった?

俺のタオルを貸したのがいけなかった?

代謝がいいとか言ったのがいけなかった?



思い当たる原因がわからなくて怖い。


午後の練習試合で姿が見えなかったから、午後が始まる前に何かがあったとしか思えない。


けど…本当になんなんだろう。


聞きたくても避けられて聞けないからモヤモヤが積もっていく。



そういえば佑センパイによると、最近梓センパイは男と話したりしはじめているらしい。


梓センパイはかわいくて優しくて、天使のような人。


狙ってくるライバルが出てくるとは思っていたけど、避けられてるいま…俺にはどうしようもなくて…。



4時間目の英語の授業を全く聞かずに、梓センパイのことばかり考えた。