プーさんのハニーハント、ホンテットマンション、ビッグサンダーマウンテン…色々なアトラクションを回った。

小学校からの仲だった六人で気心が知れていたし、皆で一緒にいれて本当に楽しかった。

私達がスプラッシュマウンテンを並んでいた時に、前に伊藤くん達、カップル四組の後ろに、俊也と田川くん達が並んでいた。

伊藤くんが私に話し掛けてきた。

「久しぶりにはしゃいでるし、楽しそうじゃん？」

騒音が凄すぎて聞こえなかった。

「え？何？聞こえないよー」

「お前が久しぶりにはしゃいでる所見た！」

「そう？」

私は少し驚いて、伊藤くんに聞いた。

「俺とろくでもない話してる時も楽しそうだけど…」

「まぁね！」

「お前４月、５月と暗かったけど、濱田達から矢吹の事で虐めに遭ってたんだろ？一人でよく耐えたな。」

伊藤くんが有り得ない位、優しく言ってくれた。

何だか、伊藤くんが見守っていてくれた様な気がして、すごく嬉しかった。

伊藤くんの声が大きかったのか、俊也がこっちに来た。

「おい、伊藤、今何て言った？俺のせいで、濱田達から矢田が虐められてたってそれ何だよ？」

「俺も知ってたよ。」

と後ろにいた田川くんが言った。

「七海が濱田と同じグループだろ？濱田はお前が矢田に話し掛けるから気に入らなくて、この前まで矢田を虐めてたらしいぜ。今は小村咲子をマークしてる。七海も本当はグループを抜けたいみたいだしな。勇気がないから出来ねーみたいだけど…。」

そうだったんだ…

七海ちゃんも抜けたいのかぁ…。

私はあっこと葉子ちゃん達と固まっていられて幸せなんだなぁ…。

「俺のせいで、矢田が虐められてたのか…全く知らなかった。矢田、ごめんな。」

「終わったことだし、もう良いじゃん。私、今は虐められてないしね！」

と私は明るく俊也に言った。

「てか、ビックリしたー。伊藤くん普段ボケッとしてるくせに見ていない様で見てるんだね！本当よく気付いたね！」

笑って、伊藤くんに言った。

「おい、お前、俺のこと完璧馬鹿にしてるだろ？泣きそうな顔してた時、あったじゃん。」

「そうだっけ？」