「お前…、しってんのか?」


何かを思い詰めた表情で港は語る


「……俺がーーーのーーーーーで、琉夏をーーーーーしたってこと」


あーあ。

大分直球でくんだな

心の底で笑っているが、今はそんな場合じゃない
俺は琉夏を演じなくちゃーーーーー


『あぁ…初めから、な』

「そうか……」

『……でも、お前っていい奴だよな』

「………え?」


……嘘だ。

そんなこと1ミリも思ってない
むしろ……今すぐ殺したいくらい

だけど、琉夏はそれを望まないから
俺は琉夏を守る絶対無二の存在なんだ


『俺が“舞龍”だと知りながら、一緒に過ごしてたんだろ?』


…だけど、コイツには女だとは知られてないから。

絶対に、口を滑らせない
俺の存在はそういう計算で成り立っているから

…全てが、緻密な計算。