ーーーーー事件が起きたのはみんなが寝静まった頃。


嵐龍のみんなは散々人の部屋で騒いだあげく、
片づけもろくにせず、そそくさと寮を後にした

その片づけを終わらせた頃には遂に翌日。


……今思えば、それは不幸中の幸いだったのかも。


普段“なら”ここで寝ていた



…つまり、今日は普段通りじゃなかったって事だ。


片づけが終わり、眠ろうとベッドに仰向けになった
……その刹那、


ーーーパリンっ……


よく注意してないと聞き逃すような小さな音だったが
琉夏しかいない、静寂に包まれていた部屋では筒抜け…

…極僅かな(わずかな)音でも十分だった


琉夏は瞬時に警戒態勢に入り、狸寝入りを始めた
すると、こっちに向かって歩く音が聞こえてくる

怨念をこめ、相手は刃物を大きく振りかざした
にわかに口角を上げ、微笑むーーーーが、


『隙、有りすぎ
…人が眠ってると思って油断したな』


さっきまで寝ていたはずの“少年”は
既に相手に回し蹴りを肋(あばら)に打ち込み、
相手は瀕死状態に陥っていた