『っ…!!だま、』

“黙れ”

言おうとしたのを琉羽が制した
琉羽をみると

いつもとは違う、静かな瞳
青くギラつくような…鋭い威圧

『琉羽、』

出しかけた言葉をしまった
琉羽が…怒って、いる


「…天に捧げる」

『「……なッ」』


その一言で毒牙までもが凍り付いた

「天空を汚す、極悪非道の召物に
世界の調和と反響を

捧げた調和に天からの
捧げた反響に空からの

魂の制裁を…!」


ーーーーー……一瞬、だった

猛風が吹いたと思ったら

立っているのは俺と流羽と


毒牙の総長だけだった

猛風は、流羽が吹き飛ばした下っ端だった


これが、流羽の力

さっきの言葉は天使の羽(エンジェルウィング)、初代総長から受け継がれている、
“大切なもの”を守るときにだけ使う言葉だ