「ケータイとか持ってるんですかぁ?」


もう、仮入部じゃなくなっている。

ホスト・・・みたいになってるよ。

海君・・・。


「今は仮入部。やる気がないんなら、帰って。」


海君が冷たく言い放つ。


「そう言わず、教えて下さいよぉ」


私は、その場から逃げ出したくなった。


ガタッ


音楽室から出ようとすると・・・


「みら先輩!どこ行くんですか?」


突然、海君に呼び止められた。

振り返ると、たくさんの女子に囲まれた海君。


・・・見たくなかったのにな。


「ちょっと、トイレだよ。」


私は、逃げた。