「いや、ですから…」

「分かってます!」

「鈴美さん?」

「お見合いをしてから今日まで夢の様な時間でした。ありがとうございました」





そう私は羽須美さんに向かって叫んだ。


なんでだろう…


なんで、涙が出てくるの?


私は悲しくなり咄嗟に視線を下に向ける。





「何か勘違いをしてませんか?」

「勘違いって…」

「鈴美さんに言いたいのは将来を考えた上でこれからお会いしましょう。と、言う事なんですが」





そんな、声が聞こえた後。


私の肩に羽須美さんの手が乗った。





「お見合いですから‘進める’と言い方もしますが」

「嘘…っ」

「良ければ返事を聞かせて下さい」

「……っ」

「鈴美さん、お願いします」