━━━━━━…… バンッと勢いよく家に入り、玄関にしゃがみ込んだ。 心臓はやばいくらいドクンッドクンッと鳴り響いている。 《もう月野君とは顔合わせらんないッ…》 よくマンガなどである、転んだ習慣にキス…という同じ展開にならなかったのがせめてもの救いだ。 不幸中の幸いってやつ? 『奈緒?なんでこんな時間に帰って来てんだよ?』 いつの間にいたのか…兄圭哉(ケイヤ)が尋ねてきた。 私とは年が3つ離れていて、今は大学生。 ちなみに……