それを見計らったかのように、軽自動車の運転手らしき人が降りてきた。

いつの間にか隣に来ていた先輩が、慌てて頭を下げる。


「すみませんでしたっ!!
僕の不注意で…
自分が診療しているペットなのに…
獣医師失格です…」


「気にせんで。
私も悪かった。
獣医師なのか?
そこのお嬢ちゃんもか?」

「私は…まだまだ新米ですけど…」


「ここの近所の…でしたな。
近々お世話になります。

ウチのオカメインコが何だか具合が悪そうなんで…
…今日の午後にでも顔を出すよ。」


「お待ちしています。」

先輩と同じように私も頭を下げた。


「さ、いろいろあったけど、ココアも無事だし、病院戻ろうか。」

あんなことになるとは思わなかったよ…

念のためにキュロットで来て良かった。