湖に咲く 一輪の薔薇

『あ、あのあたし帰りますっ!』

「あ!おいっ!」

ガシッみたいな効果音が似合う感じにあたしの腕を掴んだ。

『何でしょう。あたし、帰らなきゃいけないんです。』

うん。これまじ。

「取り合えず、上の部屋来て?」

『ハァ。分かりました。』

聞こえない程度にため息をつき、返事をした。


その時、周りは

「おい、あの女上の“あの”部屋行くってよ!」


「は?まじか!?」

「______さん、あの女の事気に入ったのかな?」


「さぁな。まぁ、確かに美人だけど、性格悪そうだよな。」


「それ言えてるー!!」




まるで、ギャルのような悪口大会で、あった。