湖に咲く 一輪の薔薇

龍也「あれっ?もっと、取り乱すと思ってたのに」



『取り乱さないし』


利用されていた。
それが分かった今、取り乱したら、優弥が嘲笑いそうで、取り乱したくなかった。






龍也「…希紗季さんはさー、すげー人だったんだよ」


聞いても居ないのに、龍也は話し出した。



龍也「喧嘩も強くてさ、優弥さんにも愛されてた。2人ともすっげー仲良くて」




龍也「勿論、蝶妃になるって時は、満員一致で、みんなに慕われてた」





『そんなにいい人だったの?』




龍也「ああ。でも、希紗季さんの兄貴の友達に脅されて、」



『なんて?』





龍也「「俺の女にならなきゃ、お前の兄貴殺すぞ」って」




『殺す?』





龍也「希紗季さんの兄貴………植物状態らしいんだ。それで、その事をみんなに言って、氷蝶から離れようとした」







『…………………』






龍也「勿論、優弥さんは俺が守るって説得してたんだ。それで、希紗季さんは了承した」








龍也「でも、その次の日。希紗季さんは居なくなってた」




『!』




龍也「探したよ。氷蝶と傘下、全精力で。でも、見つからなかった」







龍也「…で。今に至るってわけ」