湖に咲く 一輪の薔薇

さてと、行こうかな。

外に出ると、執事の男がリムジンの前で立って待っていた。


『ありがと。…――…出して。』

あたしの声で、リムジンは発車した。


この人も大変ね。
嫌いな奴の送り迎えしなきゃいけないなんて。気の毒ね。

ほんと、同情するわ。




「着きました、お嬢様。」

『ええ。ありがとう。』


あたしが車を降りると、すぐに車は帰って行った。



そんなに一緒に居たくなかったのかよ。