「皆は用意が出来たか?」

出陣の前に王女が皆を鼓舞する。


「妾の思い描く共存のための闘争、皆の力無しでは掴みとることはできん!

皆の力を貸してほしい!」


「「オオォォォ!」」

「幸大!

貴様も勇者として何か一言申せ!」


幸大が壇上に立つ。


「えっと、俺は戦いの経験とかもないから、他の皆の力が頼りだ。

皆が拓いてくれた道を進むしかまだ、今の俺にはできない。

だけど、やれるだけのことはやる!

皆、よろしく頼む!!」



「「オオォォォ!」」



「俺、馬なんか乗ったことないんだけど。」

「あ、私の後ろに乗ってください。」

「あれ?

尻尾は?」

「服の中に仕舞ってます。」

「そうか。


よっ、と。」

幸大がイヨの後ろに乗る。


「私の横から手を伸ばして手綱をしっかり握ってください。」

「普通、乗れない人が前じゃ…」

「私が後ろだと前もよく見えませんから。」


王女が剣を高く掲げる。


「皆の者!

出陣せよ!」


「「オオォォォ!」」


一斉に走り出す。

幸大とイヨも軍隊のまん中を位置取って走り出す。