「……あげるんだ?」 小さくつけた傷口から出る血を 瓶に注いでいると、彼が言った。 「まあ、減ってもすぐ戻るし」 この体質になってから、貧血とは無縁だ。 それ以前は、誰かに血を飲ませていたし 慢性的に、血が足りなかった気がする。 「……悪いな」 「いや、気にしなくていい。 それより、精々1週間が限度だぞ?」 「それで十分だ」 その間に、これから先、 移動する場所を決めるそうだ。 ……あては、無いそうだけど。 やっぱりここで生活するにしろ、 準備を整える期間が欲しいそうだ。