どんなに眠い歴史の授業でも、赤ペンを見ると眠気が吹っ飛ぶ。 先生に見られている気がして。 赤ペンを使うたびに思い出す。 涼しい夜風 無数の星達 右手の温もり 甘い関西弁 記憶にきっちりと焼き付いた、あの瞬間。 心臓が止まりそうになった、あの感覚。 全てがこの赤ペンに埋め込まれている。 先生のパワーが詰まっている。 これからの日々で、この赤ペンが私の一番の宝物になることは、誰でも予想できるだろう。