「リョウ…」

なんとなく
口にしてみたかった。

『リオが本気なら
考えるよ?
もし冗談なら、
これからは
言っちゃダメだよ?』

リョウは真剣だった。

まだ2~3時間しか
たってないのに
リョウの事が
少し分かった気がした。

『リオ?聞いてる?』

「うん。聞いてる。」

緊張にせいか、
声がうまく出せない。

『リオの声って
可愛いんだね。
ヲタクで言う、
萌え~って感じ?』

と一人で笑っていた。

「なっ…何言ってんのよ。」

『焦るとこも可愛いね。今、大学にいるから
また電話するね?』

-チャラ男なのか
真面目なのか
分かんないや。-

私の心の中には
完全にリョウがいた。

顔は分からない。

けど、
悪い人じゃないって
思った。



私はハマっていった。
リョウという
一人の人に…