「待てよ、菜摘」 電車から降りると、橘を無視しさっさと改札口に向かう。 朝から、最悪だわ… キ…キ…スされるし、注目の的にはなるしー… 全部、橘のせい… 「あー!王子じゃん」 「ラッキー!おはよ」 王子… 後ろに振り返ると、いつの間にか橘は制服を着た学生に囲まれていた。 「ねぇ、いつ遊んでくれるの?」 「私、欲求不満でどうにかなっちゃいそう」 駅でなんつー発言… てか、ベタベタ触りすぎ… 「…」 ま、私にはどうでもいいことだけど。