「沙良…、今出て来られる?家の下まで来てる」 携帯で呼び出され連れていかれたのはいつもの公園。 いつになく真剣な海斗。 「悪い。親父の転勤が決まった…。ついて行くわ」 この日の事は、正直あんまり覚えてない。 覚えてるのは、目を合わそうとしない海斗の横顔と、出発は3日後。 それだけだった。 そんな、まだまだ寒い2月の夕暮れ。