「姫……そろそろ…。」



お祭りが終盤にさしかかった頃。



「あ……もう、そんな時間になってしまったんですね…。」



急に王女がしゅんとなった。
そして、私の方を向いて、




「あの、今日は楽しかったです!一緒に付き合ってくれてありがとうございました!」



ニコッとして、そして少し淋しそうに言った。




「私も楽しかったよ。」



素直な気持ち。

すごく楽しかった。
正直、また遊びたい。
また、こうして王女と話したい。


でも第一身分が違う。
普通の村娘と城の王女が出会って話せただけでも、十分良い事だし。



私、運良いのかな。



そう思いながら、私達はお祭りの会場を出る。
出たら分かれ道になっていて、そこで別れる、



はずだった。