「突然お邪魔してすみません、東條先輩」

「いや、構わないよ」


朝早くから僕を訪ねてきたのは、露の彼、川崎聖だった。


「で、話というのは?」


使用人が持ってきた紅茶を口にしながら、先を促す。


「……。
俺が露と付き合っているのは知っていますよね?」

「!!」


この男、一体何を話そうとしている?

あまりにも不躾な質問に、苛立ちを感じる。


それが表情に出ていたのか、彼は慌てて付け足した。


「あっ!すみません!
別に、自慢しにきたんじゃないんです!!つーか、そもそも付き合ってるかわかんないっつーか……」

「え?」


付き合っているか分からない?

どういう意味だ?


現に2人は噂にもなるほどだし、昨日だって一緒に出かけていたんだ。

付き合っているのではないのか?


「あの、すごく失礼な事ですけど……」

「何?」

「露とはどうして別れたんですか?」

「!!」