「ほぇー。ここが東條家……」


日曜日。

私は陸くんと、綺ちゃんと一緒に隣の東條家に赴いた。

はぁ、ほんとに来ちゃった……。


「って、露ちゃん。
お隣さんなんだからいつも見てるでしょう?」

「そうなんだけど」



でも、ちゃんとした目的を持って来るなんてことなかったから、ちょっと緊張。


実際、東條家はものすごく大きくて、大きく見上げないとてっぺんが見えないくらい。

かなり豪勢にそびえ立っていて、御伽噺の中のお城のような感じ。


まぁ、うちも普通の家屋と比べたらそれなりに大きい家だと思うけど、それでも比べ物にならないくらい大きいんじゃないかなぁ、と思う。



……私、そんなおうちで働くの?



「さ、露ちゃん行きましょうか」

「う、ん……」



綺ちゃんは、私の背中を押して誘導する。



うぅ~緊張するぅ~っ!!



そして私たちは、3人揃って東條家の門をくぐった。