いつか咲く花【企】



「やっぱりそうだ。」

そう言いながら屋上の一番高い所から、一人の男の子が降りて来る。
見たこともない顔。
ネコっ毛の跳ねた髪は風に吹かれている。
学年で色分けされているネクタイは緑…ってことは一年生か…。

「生徒会長さんでも授業サボるんだ?」

ネコっ毛の男の子はニコニコと人懐っこそうに近づいて来る。

…ネコって言うよりイヌ?

「…私は保健の先生にお話して空気を吸いに来ているの。あなた一年生でしょう?授業はどうしたの?」

私はそんな彼に、動じることもなく、パッといつもの優等生の仮面を被って答える。