明るい知らない未来を見るため。

そう言われて目の前が明るくなった。
私は暗い未来しか見ていなかった。

「よし!」

植木鉢を上手く置けたと満足して、部屋へ戻った。
明るい知らない未来を見るために…机に向かった。


       *


植えてから3日。
植木鉢から自信がなさそうな可愛い芽が3つ顔を覗かせていた。

「……可愛い。」

小さな芽を見ると、お母さんに¨いつ咲くのー?¨と騒いで聞いたのを思い出した。
とりあえず、お水あげよう。
ジョウロを持ってキッチンに向かうと、いつもは仕事でいないお母さんがいた。

「お母さん?こんな時間、珍しいね。」

「えぇ、今日はお昼からなの。」

「ふうん?」

首を傾げながら水道で水を汲み始める。

「涙花…玄関の植木鉢、あなたの…?」

後ろからいつもと違う声で声をかけられて振り向くと、不安そうなドキドキしたような顔のお母さんがいた。

「うん。」

「そう……。」