「なにをしりたいの?」

「ぼくがしりたいのは、たくさんのはなを たくさんさかせる ほうほう。」

「はな……?」

「うん。」

男の子は笑って答えた。


懐かしいな…。


あの子は今も¨知りたいから勉強する¨のかな…?
私みたいにしたくないのにするわけじゃないのかな…?

そう思うと羨ましくも思えた。

「私は何が知りたくて勉強するんだろう…?」

ポツンと零した独り言は、優しい雨が包んでくれたような気がした。


「会長さん?」

「え……?」

ずっと聞けなかった声が聞こえて後ろを向くと、階段を昇る茂音君がいた。

「久しぶり。」

茂音君はいつものあの笑顔を私に見せた。
ずっと見たかった笑顔。

でも………?
どうして??

どうして彼はここへ来たの?
今まで避けられてたはずなのに…