私、いつか絶対刺される……。

茂音君は練習が終わると真っ直ぐに私のところに駆け寄ってきて。
そのまま一緒に体育館を出ると、気のせいか女の子達の悲鳴が聞こえた気がした。


「茂音君って頭もいいんだってね?」

帰り道。
茂音君の引く自転車の音がカラカラと聞こえる。
私より頭一個くらい大きな彼を見上げて聞くと、頭をポリッと書きながら答えた。

「ん?うーん。まぁ…ちょっと勉強頑張ったしね。」

「そうなんだ。」

「ま、会長ほどじゃないし。」

「うん………。」

私は勉強したくてしてたわけじゃないけど。
他にすることが無かっただけだから。

「会長?大丈夫?」

無意識に暗い顔になった私を、彼は心配そうに覗き込む。

「あ、ごめんね。大丈夫。」

「そう?」

無理に笑って見せると、不安そうではあるけど茂音君も笑顔を見せた。