「はい!10分休憩!!」

監督さんらしき人が声をあげると、茂音君に向かってたくさんの女の子が走っていく。

「モネすごかったね!」
「モネ君、これ食べて!」
「モネー、タオル使って!」

凄すぎる……。
思わず圧倒されて帰ろうとした時、私を呼ぶ声が聞こえた。

「あ…!かいちょーさーんっ!」

声とともに茂音君が駆け寄って来る。
と、同時に女の子達の鋭い目がこちらを睨む。

怖い………!!

「会長さんが体育館なんて珍しいね?」

そんな怖い視線に気付かないのか茂音君は楽しそうに笑いかけてきた。

「……ちょっと見に来ただけだから。」

「ふうん?」

「じゃ、帰るから……。」

「あ!待って!」

茂音君にパシッと腕を捕まれる。
その瞬間、ますます女の子達が殺気立ったのは言うまでもない。

「あと少しだから、一緒に帰ろう?」

「え……。」

茂音君はそれだけ言ってコートに戻って行った。