放課後。
強引に頼んだネコっ毛の彼との待ち合わせ。

あ……
そういえば名前も聞いてなかったな。

と、言うか…
あんな強引に頼んじゃったけど大丈夫かな?


「会長さん、お待たせ。」

考えているとネコっ毛の彼がひょっこり現れた。
授業中に寝ていたのか、先程とはまた違った方向に頭が跳ねている。

「はい、乗って。」

「え……。」

そう言って自転車の荷台をパシパシ叩く。

「二人乗りは………。」

「いいから。行っちゃうよ?」

そう言って彼は自転車に乗る。

行かれては困るけど……

今まで優等生で通って、規則は守って、だいたい知らない男の子の後ろなんて…
色んなモノがたくさん私の中でうごめく。

「会長さーん?」

「……解ったわよ!!」

背に腹はかえられない。
ドンッと思い切り乗ると、彼は私の不安とは裏腹に、楽しそうに自転車を発進させた。

「しゅっぱーつっ!」