「会長さん、またサボり?」

「え……?」

今日見た夢を頼りに、花を見つけに図書室へ。
授業中だから誰もいないはずなのに声がして振り向くと、ネコッ毛の彼がいた。

「会長さん今日は調べ物?」

彼は手元にある本をパッと取り上げて眺め見る。

「花の図鑑………?」

「…あなたには関係ないでしょ…返して。」

首を傾げた彼から本を取り上げる。

「「あ…。」」

本は思っていたより高い位置にあって、二人の手を離れた図鑑は宙を舞う。

ドサッと落ちた本は赤い花の写真が開かれていた。

「ごめん、ごめん。」

彼がひょいっと本を持ち上げて、本を閉じようとした瞬間…

「待って!閉じないで!」

自分でもビックリするくらいの声が出ていた。