「何か賭ける? アイスとかジュースとか」
「賭けか…。じゃあ、勝者が決めるっていうのはどうだ?」
「うん、それで良いよ」
彼の表情に、笑みが浮かんだことに安堵した。
グラウンドに入り、わたしはグローブに何度か球を入れたり出したりした。
練習メニューで投手をすることも多々あった。
でもそれは個人メニューで、本人が望まなければなかった。
副部長の相手をしたこともあり、わたしのピッチャーとしての腕はかなり上がった。
だけど…思い返してみると、彼とのこの練習はしたことがない。
理由は単純、彼が望まなかったから。
わたしも強制しなかった。
だからこれがはじめての対決となる。
…普通好きな人相手なら、きっと手加減して投げるんだろうな。
でもわたしは普通じゃない。
マネージャーなんだ。
手加減は彼を傷付けることにしかならない。
わたしは深呼吸をして、気合を入れた。
「―じゃあ、行くよ」
「ああ、来いよ」
傍から見れば、おかしな図だろう。
私服姿の男女二人が、対決しようとしているんだから。
でもわたしと彼には、ちょうどいい。
わたしは球を握り締め、全身全霊の力を込めて投げた。
「賭けか…。じゃあ、勝者が決めるっていうのはどうだ?」
「うん、それで良いよ」
彼の表情に、笑みが浮かんだことに安堵した。
グラウンドに入り、わたしはグローブに何度か球を入れたり出したりした。
練習メニューで投手をすることも多々あった。
でもそれは個人メニューで、本人が望まなければなかった。
副部長の相手をしたこともあり、わたしのピッチャーとしての腕はかなり上がった。
だけど…思い返してみると、彼とのこの練習はしたことがない。
理由は単純、彼が望まなかったから。
わたしも強制しなかった。
だからこれがはじめての対決となる。
…普通好きな人相手なら、きっと手加減して投げるんだろうな。
でもわたしは普通じゃない。
マネージャーなんだ。
手加減は彼を傷付けることにしかならない。
わたしは深呼吸をして、気合を入れた。
「―じゃあ、行くよ」
「ああ、来いよ」
傍から見れば、おかしな図だろう。
私服姿の男女二人が、対決しようとしているんだから。
でもわたしと彼には、ちょうどいい。
わたしは球を握り締め、全身全霊の力を込めて投げた。

