振り払っちゃった…。
彼方―!!
ズキンと足が傷んだ。
「いた…」
あたしは神社の隅にある木によしかかりながらしゃがみこんだ。
膝に顔を沈め、涙を流した。
なんで、どうして?
なんであのタイミングで優莉ちゃんに会うかな…。
告白しようとしたのにな。
なんでこう上手くいかないんだろう。
あたしが素直だったら、あまのじゃくじゃなかったら…少しは変わったのかな?
彼方…優莉ちゃんと付き合うのかな―…?
「彼方のバカ…」
上から声が聞こえた―…。
『誰がバカだって?』
顔を上げると…彼方がいた。
「か…なた」
大好きな彼方が―…。