服は買えないだけで好き。



サキさんが持ってきてくれるカワイイ服も大好き。



今までお店に行ったことはないけど、洋服屋さんでバイトできるとか…。



「やりたいです!!」

「丁度バイトの子が妊娠しちゃって辞めるんだよね。だから雇わなきゃと思ってたの」

「バイト代は本当に少しだけでいいんでやらせてください!!」

「サキ~、千衣ちゃんが働いてくれるってよ~!!」



サキさんがすごく喜んでくれたのが嬉しかった。



風都は案の定いい顔はしない。



ふたりが仕事に行った後、風都と部屋に二人きりになった。



具合悪いのか、ベッドに座るあたしに珍しく膝枕。



「ちーがバイトすんの反対なんですけどー」

「でもお金ないから働いて貯めなきゃ」

「出て行く気?」

「いずれ…ね?」

「好きにしろ、バーカ」



寂しいのかな…?



腰に腕を回して、顔をお腹に埋めて。



甘えてくる風都の頭を撫でた。



「あたしはどこにも行かないよ…」

「当たり前だボケ…」



あたし、風都が大好きみたい…。